自己犠牲していると感じていませんか?

ストレス

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。

「また無理をしてしまった」
「本当は嫌だったのに、笑顔で引き受けてしまった」
「誰も私のしんどさに気づいてくれない」

そんなふうに感じることが、日常生活の中でありませんか?

もしかすると、それは心が出している「SOSのサイン」なのかもしれません。日常の中で、いつも誰かの期待に応えようと頑張りすぎていませんか?

一見、周囲に優しくて、思いやりのある「いい人」。職場でも家庭でも、「あなたがいると助かる」「頼りになるね」と感謝されているかもしれません。でも、その内側では、本当の自分の気持ちを押し込めて、誰にも気づかれずに自分を犠牲にしている苦しさを抱えている。それが「自己犠牲」の状態です。

心の奥では「助けて」と叫んでいるのに、周囲の目が気になって言えない。「もっと頑張らなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」と自分を責めてしまう。いつも他人を優先して生きていると、自分が本当はどうしたいのか、何を感じているのかさえ、わからなくなってしまいます。気づいたら、自分の心がどこかに置き去りになっている感覚。そんな状態に心当たりはありませんか?

少し思い出してみてください。 最後に自分の気持ちを最優先して行動したのは、いつだったでしょうか? 最後に「自分のために」選択をしたのは、どんな場面だったでしょうか? もしかすると、その記憶はずっと昔のことかもしれません。

自己犠牲は、長く続ければ続けるほど、心を疲弊させてしまいます。 だからこそ、まずは「自分を大切にしていい」と気づくことが、回復の第一歩になります。自分を取り戻すことは、決してわがままではなく、人生をもう一度自分の手に取り戻すことなのです。

1. 自己犠牲は“美徳”ではない

日本では「他人を思いやる」「空気を読む」「我慢する」ことが美徳とされる文化があります。 それ自体は悪いことではありません。思いやりのある行動は、確かに人間関係を円滑に保ち、信頼関係を築く土台になります。

しかし、それが「自分を後回しにすること」とイコールになってしまうと、とたんに苦しさへと変わります。

たとえば、「自分が我慢すれば丸く収まる」と感じて、つい自分の希望を押し殺してしまう。「迷惑をかけたくないから」と本音を言えずに飲み込んでしまう。そうした場面は、日常の中に数えきれないほどあります。

  • 職場でいつも誰かのフォロー役に回ってしまう
  • 家族のために、やりたいことを我慢するのが当たり前になっている
  • 友達の悩み相談には乗るけれど、自分の悩みは誰にも言えない
  • 「大丈夫?」と聞かれたら、本当は大丈夫じゃなくても「うん、大丈夫」と答えてしまう
  • 休みたいのに、「私がやらなきゃ」と感じて体を無理に動かしてしまう

こうした積み重ねが、知らず知らずのうちに心をすり減らしていきます。

2. その優しさの裏にある「怖れ」

自己犠牲がクセになっている人の中には、ある「怖れ」を抱えていることが多いです。

  • 嫌われたくない
  • 迷惑をかけたくない
  • 評価されたい
  • 見捨てられたくない
  • 自分の価値を失いたくない

こうした気持ちがあると、つい「いい人」でいようとしてしまいます。 でも、その「いい人」は、自分が本当に望んでいる姿なのでしょうか?

それは「人に嫌われないようにするための仮面」「必要とされるための努力」「見捨てられないようにするための防衛」かもしれません。

そうであれば、それは優しさではなく、恐れから生まれた行動です。 その恐れが強ければ強いほど、自己犠牲の行動は止まらなくなります。

「こうしなければ嫌われる」「役に立たなければ存在してはいけない」そうした無意識の思い込みが、あなたを縛っていないでしょうか?

3. 自己犠牲がもたらす心と体への影響

自己犠牲を続けると、自分でも気付かないうちに心と体にダメージが蓄積されていきます。

  • いつも疲れているのに休めない
  • 感情の波が激しくなる(突然怒りっぽくなったり、泣きたくなったり)
  • 自己否定感が強まり、「私はダメな人間だ」と感じやすくなる
  • 何に対してもやる気が出なくなる
  • 突然、人間関係を断ちたくなる
  • 心が麻痺して、喜びや楽しみを感じづらくなる

これは「バーンアウト(燃え尽き症候群)」や「うつ」の入り口でもあります。 特に、周囲から「しっかりしてる人」「頼れる人」と見られている人ほど、誰にも助けを求められずにひとりで抱え込みがちです。

そして、自分でも気づかないうちに「もう頑張れない」という限界に達してしまうこともあります。

4. 「自分を大切にする」という選択肢

自己犠牲をやめることは、わがままでも、利己的でもありません。 それは、自分を大切にするという「健全な選択」です。

とはいえ、「自分を優先するなんて怖い」「罪悪感がある」と感じる方も多いでしょう。 だからこそ、少しずつ、小さなことからでいいのです。

こんな行動から始めてみましょう

  • お誘いに対して「今日は少し疲れてるから、また今度ね」と言ってみる
  • 頼まれごとに対して「少し考えてからお返事しますね」と間を取る
  • 朝起きたら「今日はどう過ごしたい?」と自分に問いかけてみる
  • スマホを見ない「自分だけの時間」を15分でも確保してみる
  • 「誰かの期待に応えなくても、私は大丈夫」と声に出す
  • 毎日の中で「自分の心地よさ」を大事にする意識を持つ

最初は怖いかもしれません。 罪悪感が出てくるかもしれません。 でも、それは「これまで自己犠牲を頑張ってきた証」なのです。


5. 「優しさ」は、自分にも向けていい

他人に優しくするように、自分にも優しくしていいのです。 むしろ、自分を大切にできてこそ、相手への優しさも本物になります。

空の容器からは水を注げないように、疲れきった自分からは本当の優しさは出てきません。 まずは、自分を満たすこと。 それが、結果的に周りの人も幸せにする道です。

あなたの心が元気でいることは、周囲にとっても大切なこと。 「自分をいたわることは、周囲への思いやりでもある」と思ってみてください。

まとめ

この記事を読んでくださっているあなたは、きっと今までもたくさん我慢してきたのだと思います。 誰にも見せない涙や、言えなかった不満、抱えてきた孤独があったはずです。

でも、もう我慢し続けなくてもいいのです。 もう、自分を犠牲にしなくてもいいのです。

「あなたには、あなたを優先する権利がある」

あなたにも、「NO」と言う権利があります。 あなたにも、「助けて」と言う権利があります。 あなたにも、「私は私のままで、価値がある」と思っていい権利があります。

少しずつ、自分を取り戻していきましょう。 自分の心に正直に生きていくことは、決して弱さではなく、本当の強さです。

あなたの人生の主人公は、他の誰でもなく「あなた自身」です。 どうか、自分を大切にすることを、今日から許してあげてくださいね。
しんしん心理研究所では皆さんが自分らしく自分のために生きることを全力でサポートしています。

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