経営者の孤独とメンタルヘルス

企業向け

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。今回は特に経営者の方に向けてのメッセージとして記事を書いています。
現代社会において、経営者は想像を超えるほど大きな責任とプレッシャーに直面されているのではないでしょうか?事業の成功や失敗が自分に大きく関わるだけでなく、従業員や顧客、株主など多くのステークホルダーの期待に応える必要があります。その結果、多くの経営者は孤独感を抱え、メンタルヘルスに深刻な問題があるケースが多いと感じます。

経営者の孤独の実態

経営者の孤独感は、なかなか外からは見えにくいものです。 彼らは周囲からの期待を一身に背負って、しばしば「強いリーダー」というプレッシャーにさらされます。またいくつかの制約が関係しています。

1. 重責を決断する

経営者は、日々の業務において重要な決断を迫られます。企業の方向性や資金繰り、人材採用、製品の開発など、すべてが経営者の判断に決められることが多いです。なかなか目には見えないですが、決断の重みが常に心に負荷をかけているのです。

2. 周囲との距離感

多くの経営者は、組織内の社員など他のメンバーとの間に「距離」を感じているのではないでしょうか。経営者としての立場が高まるほど、外部のアドバイザーや他の経営者とのネットワークも限られたものとなり、さらに孤独な状況になりがちです。

3. 情報の非対称性

経営者は他者に情報を提供する立場でありながら、自分が必要な情報を得ることが難しい場合があります。従業員や取引先から提供される情報は、時にフィルターがかけられており、経営者が全体像を正確に把握することは容易ではありません。このような情報の非対称性は、経営者のストレスを増大させ、孤独感を強めるということになります。

孤独がもたらすメンタルヘルスへの影響

経営者の孤独感がしばらく続くと、精神的および肉体的な健康に悪い影響を与えてしまうことがあります。

1. ストレスの増大

孤独感とプレッシャーが重なることで、経営者は慢性的なストレスにさらされやすくなります。一方でストレスから解放されても気が抜けてしまい、集中力の低下や意思決定の質の低下につながり、さらには身体的な不調や病気のリスクが高まることもあります。

2. 不安やうつ病

孤独感が高まると、経営者は常に不安を感じてしまい、うつ病を発症する可能性が高くなります。 特に、企業の業績が悪化している状況や、将来の不確実性が大きいと感じる場合、抑うつな状態が続いてしまい、日常的な業務に支障をきたし、経営者としての判断力にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

3. 人間関係の悪化

孤独感が続くことで、経営者は周囲の人々とのコミュニケーションがうまくいかない状態になることがあります。特に、従業員との関係性が悪化すると、企業全体の意欲やモラルの低下や生産性に影響を与える可能性があります。

経営者がメンタルヘルスケアを重視すべき理由

経営者は、組織の舵取り役であると同時に、自身の健康状態が企業全体に与える影響を考慮する必要があります。そのためにも、経営者が自身のメンタルヘルスケアに取り組むことは、企業の健全な運営つながる重要な要素です。以下の理由から、経営者がメンタルヘルスケアをしっかりと行うべきだと考えます。

1. 持続的なリーダーシップを発揮するため

健康的なメンタルの状態を維持することは、経営者が長期的にリーダーシップを発揮するために必要不可欠です。目先の忙しさに追われてしまい、ストレスや孤独感を感じていても対処せずに放置していると、突然うつ病の症状が出てしまい休養を取らざるを得なくなり、結果として経営を続けることが困難になるでしょう。

2. 組織全体の健康への影響を考える

経営者のメンタルヘルスは、組織全体のモチベーションや各自のパフォーマンスに直接影響します。逆に、経営者が健康で前向きな心を保っていると、従業員もその姿勢に共鳴し、ポジティブな働き方をすることが期待されます。

3. 創造性や革新性を高めるため

メンタルが健康であれば、経営者は創造的なアイデアや革新的な経営戦略を考えやすくなります。メンタルのバランスが取れている状態では、柔軟な思考や長期的な視点に基づいた戦略的な判断が容易になります。

経営者が実践すべきメンタルヘルスケアの方法

経営者が孤独感やメンタルヘルス問題に対処するためには、いくつかの具体的な対策が考えられますので、いくつか紹介します。

1. 信頼できるアドバイザーやメンターを持つ

孤独感を軽減するためには、信頼できるアドバイザーやメンターを見つけることがオススメです。外部の視点を持つ人と定期的に対話することで、経営における課題や不安を共有し、客観的なアドバイスを得る子ができます。また、他の経営者とのネットワークを持つことで、自分と同じ立場にいる人々とのつながりを持ち、孤独感を軽減できるでしょう。

2. 正しいストレスマネジメントを取り入れる

ストレスと上手く付き合っていくためには、リラクゼーション法や適度な運動、マインドフルネスなどのストレスを和らげるさまざまな方法を取り入れることが推奨されます。例えば、マインドフルネスや深呼吸の技術を学び、日常的に実践したり、定期的に適度な運動を行うことは、体力の向上だけでなく、精神的なリフレッシュにも効果があります。

3.仕事とプライベートのバランス

経営者は生活の中で、仕事に多くの時間とエネルギーを注ぐ傾向がありますが、プライベートの時間も大切にすることが重要です。 家族や友人との時間を大切にし、仕事から少し離れる時間を持つことで、心身のリフレッシュを図ることができます。また、趣味や余暇活動を大切にすることで、仕事とは異なる刺激を受けることにより、仕事にも活かせる創造性やリーダーシップのアイデアを思いつくきっかけにもつながります。

まとめ

これからの時代、経営者がメンタルヘルス対策をしっかりと行うことは、企業の継続に関わる重大な問題となるでしょう。経営者自身が健康であり続けることで、組織全体の健全な成長が期待されます。経営者孤独であることはある意味仕方のない部分もあると思います。しかしその孤独感を放置せず、適切なサポートを受けながらメンタルヘルスケアに取り組むことで、経営者自信が健全なメンタルを保つことで、組織の安定と成功に大きく役立つことでしょう。精神的な健康を維持することが、経営者としての最大の責任のひとつだと言えるでしょう。
しんしん心理研究所では、経営者向けのメンタルコンサルも対応しています。相談はいつでも受け付けていますので、まずはご連絡ください。

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