こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。あなたは「自己中心的な人」いわゆる「ジコチュー」に対してどんなイメージを持っていますか?
多くの人にとって「自己中心的」という言葉にはネガティブなイメージを持っているのではないかと思います。しかし「自己中心的」を少しポジティブな視点で見てみると、実はそれが「自分を大切にする」ことや「自分らしく生きる」ための重要な要素であることに気づくことができます。今回お伝えするのは、周りのことを顧みず自分のことばかり優先する「迷惑なジコチュー」ではなく、自分のことをまず最優先に大切にするという意味の、「自己中心主義」の再定義とその実践方法について考えていきます。
1. 自己中心主義の再定義
ここで提唱する「自己中心主義」とは、他人を無視して自分だけを優先することではなく、自分を第一に考え、自分のニーズや感情を尊重することを意味します。私たちの多くは他人との関係を大切にして、自分自身の感情や欲望を抑えてしまいがちです。しかしそれは、自分の心の健康を損なってしまうことにつながります。
「自己中心主義でいこう」というテーマは、自分の気持ちや満足感を第一に考え、そのために必要な行動をとる勇気を持つことを勧めるものです。 それは、他人を無視するのではなく、自分の心の声を聞き、その声に向き合うことが、最終的には周囲との健全な関係をつくることにもつながるのです。
2. 自己中心主義がもたらすポジティブな影響
自己中心主義になると、次のようなポジティブな効果が期待できます。
- 自己理解の向上
自分の気持ちや欲望、ニーズに敏感になることで、自己理解が向上します。これにより、日々の選択や行動に自主性が生まれ、自分の人生に対して責任感が強くなります。 - 精神的な健康の向上
自分の感情やニーズを無視せずに対応することで、心の健康が守られます。ストレスや不安が軽減され、幸福感が増します。 - 人間関係の改善
自分の気持ちを大切にし、自分に正直なコミュニケーションをとることで、他人との関係も大切にできるようになります。自己犠牲しないことで、自然体でいることができ、他人も尊重することができます。 - 適切な距離感を保つ
他人との距離感を適切にとることができるようになり、自分を守りつつも、相手も尊重するという、バランスをとることができます。これにより、健全なバランスのとれた人間関係を築くことができます。
3. 自己中心主義がなぜ必要なのか?
ではなぜ自己中心主義が必要なのでしょうか?それは日本の文化的背景や教育の結果、「謙遜」や「控えめにする」ことが美徳される文化を長年の歴史の中で培ってきたからです。もちろん他人のことを尊重し、譲る姿勢はとても素晴らしいことですが、勘違いしてはいけないのは「自分を犠牲にしてまで他人を優先することではない」ということです。自分自身のことを後回しにしてしまい、家族、職場、友人関係など、周りの人を優先することで、そこには無意識のうちに「自己犠牲」の感覚が残ってしまい、心のバランスが崩れることにつながります。
自己中心主義は、自分の内面と他人との間に適切なバランスを見つけるための一つの手段です。自分を大切にしないままに過ごし続けると、最終的には燃え尽きてしまうか、対人関係に歪みが生じることが多いです。心の健康を守るためには、まず第一に「自分のために」生きる選択が必要なのです。
4. 自己中心主義を実践するための方法
自己中心主義を実践するには、いくつかのステップがあります。ここでは、具体的な方法を紹介します。
(1) 自分のニーズを理解する
自己中心主義を実践する第一歩は、自分自身のニーズや欲望を明確にすることです。日々の生活の中で、自分が何を大切にしているのか、自分を幸せにする要素に意識を向けるために日記をつけることや、マインドフルネスを行うなど、自分の心の声に耳を傾ける習慣を作りましょう。
(2) 「ノー」を言う勇気を持つ
これが1番苦手な人が多いかもしれません。しかし、いつも他人の期待に応えることが優先されると、自分の時間やエネルギーが奪われてしまいます。ここで重要なのは、自分の限界を認識し、「ノー」を言う勇気を持つことです。他人の期待に応えることを優先せず、自分の気持ちや都合を考えて、ときには断る勇気を持ちましょう。
(3)自分を褒める習慣をつける
自分を優先できない背景には、「自己肯定感が低い」ことがあります。自己中心主義を実践するためには、まず自己肯定感を正しく持つことも必要です。そのために自分の努力を認め、なにかを達成したときには自分自身を褒めるようにしてください。小さなことでも自分を褒める習慣をつけることで、自己評価が向上し、より自信を持って自分らしく生きることができます。
(4) 他人と適切な距離感を保つ
人間関係の中で、相手とどのような距離感が自分にとって心地よいのかを自分自身で把握することも大切です。近づきすぎず、離れすぎず、自分にとってちょうど良い距離感を保つ意識を持ちましょう。
5. 自己中心主義と共感のバランス
自己中心主義は、自分だけを大切にするという意味ではありません。他人に対する共感や思いやりを持ちながら、自分の心と体を大切にするバランスをとることが求められます。
共感と自己中心主義のバランスをとるためには、まず自分が満たされていることが前提です。自分の心が満たされていれば、自然と他人に対しても余裕を持って接することができ、健全な人間関係が築けます。
まとめ
自己中心主義は、他人を無視することや利己的であることを勧めるものではありません。「自分らしく生きる」ためには、まず自分を理解し、自分のニーズを尊重することが大切だという考え方です。
現代社会において、自己中心主義は自分のために生きるための手段であり、それが最終的には他の人との良好な関係を築くことにもつながります。まず自分を大切にすることで、心の健康を維持し、より豊かな人生を生きていけるように、自己中心主義でいきましょう。
しんしん心理研究所は、「自分らしく自分のために生きる人を全力でサポートする」という理念で活動しています。自己中心主義を取り入れていきたい人はぜひ相談に来てください。
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