行動すると上手くいく

コラム

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。何か新しいことを始める際や困難な状況に直面したとき、つい「考えすぎてしまう」ことがありませんか?頭の中でいろいろなシナリオを練り、様々なリスクや障害を想定することは一見理性的で慎重な行動に見えるかもしれませんが、ついついできない理由を探してしまって、実際には行動を起こす妨げとなることが多いのです。今回はなぜ「まず行動すること」が重要であり、どうして考えすぎると物事が進まなくなるのかについて、心理学的な視点や具体的な事例を交えながら解説します。

1. 頭で考えることの落とし穴

頭の中で計画を立て、あれこれとシミュレーションすることは、一見すると正しいアプローチのように思えます。特に、失敗を避けるためにリスクを考慮することは、重要なプロセスです。しかし、考えすぎることで陥りやすい「過剰分析」という罠があります。

過剰分析の罠

「過剰分析」とは、情報を過剰に収集し、深く考えすぎてしまう状態です。この状態になると、実際の行動を起こすための一歩を踏み出すことができず、結果的に何も進展しないまま時間だけが過ぎてしまいます。この現象は、「分析麻痺」とも呼ばれ、何かを決断する際にあまりに多くの選択肢やリスクを考慮しすぎて、行動が取れなくなる状況です。

また、私たちの脳は失敗の可能性やリスクに対して敏感に反応するように進化してきました。これは生存のために必要な本能ですが、現代の社会では逆に弊害となることが少なくありません。新しい挑戦を始める前に「もし失敗したらどうしよう」と考えるのは自然なことですが、こうした考えが過剰になると、結局何も行動に移せなくなります。

完璧主義の障害

もう一つ、行動を妨げる要因として挙げられるのが「完璧主義」です。多くの人が、完璧なタイミングや完璧な状況を待つ傾向があります。しかし、現実には完璧な条件が揃うことはほとんどありません。例えば、新しいビジネスを始める際、「もっと市場調査をするべきかもしれない」「もっと資金が必要かもしれない」と考えすぎてしまい、結局行動に移せないままチャンスを逃すことが多いのです。

2. 行動することの利点


それでは、なぜ「行動すること」が重要なのでしょうか。行動を起こすことには、考えるだけでは得られない多くのメリットがあります。

フィードバックを得る

行動を起こすことで、実際のフィードバックを得ることができます。たとえ失敗したとしても、その失敗から学ぶことができ、次にどのように改善すべきかを具体的に理解できます。これに対して、頭の中だけでシミュレーションしていると、実際のフィードバックは得られず、ただ想像上のシナリオに基づいて判断するしかありません。

例えば、スポーツ選手が新しい技術を習得する際、頭の中でどれだけ動きをイメージしても、実際に体を動かして試行錯誤する過程がなければ上達しません。同様に、ビジネスや人間関係においても、まずは行動してみることでしか得られない教訓があります。

モメンタムが生まれる

行動することで、モメンタム(勢い)が生まれます。最初の一歩を踏み出すことができれば、その後は次々と行動を起こすことが容易になります。逆に、最初の一歩がなかなか踏み出せないと、そのまま停滞してしまうことが多いのです。

この現象は、「慣性の法則」に似ています。動き始めた物体はそのまま動き続けようとする力が働きますが、動いていない物体はそのまま静止し続けようとする力が働きます。行動もこれと同じで、一度動き始めると、その勢いで次の行動がスムーズにできるようになるのです。

自信がつく

行動することで、自信がつきます。頭の中であれこれと悩んでいると、不安や恐れが増大しがちですが、実際に行動を起こしてみると、意外と物事は順調に進むことが多いのです。その経験が自信となり、次の行動を起こす際のハードルが低くなります。

たとえば、新しいプロジェクトに取り組む際、最初は「本当にできるのだろうか」と不安に感じるかもしれませんが、実際に始めてみると予想よりも順調に進み、その成功体験が次の挑戦への自信となります。

3. 行動を促進するための具体的な方法

では、どうすれば「まず行動する」ことができるのでしょうか。以下に、行動を促進するための具体的な方法をいくつか紹介します。

小さな一歩を踏み出す

大きな目標や課題に直面すると、そのスケールの大きさに圧倒されてしまい、行動を起こすことが難しくなります。そこで、目標を細分化し、まずは小さな一歩を踏み出すことが重要です。たとえば、ビジネスを始めたいなら、まずは小さなリサーチや関係者との会話から始めることで、少しずつ進展させることができます。

時間を区切る

行動を起こす際には、あらかじめ時間を区切って取り組む方法が有効です。たとえば、「15分だけやってみる」といったように、短い時間であっても行動を起こすことで、気が付けばさらに多くの時間を使って集中できることが多いです。この手法は「ポモドーロ・テクニック」としても知られ、短時間の集中を繰り返すことで、生産性を高める効果が期待できます。

「失敗してもいい」と考える

完璧主義や過剰な不安は、失敗を恐れることから生じることが多いです。そこで、「失敗してもいい」と自分に言い聞かせることが重要です。失敗は成功へのステップであり、むしろ失敗することで多くの学びを得ることができます。この考え方を持つことで、行動に対するハードルがぐっと下がります。

まとめ

「行動すると上手くいく」というシンプルな原則は、実際には非常に深い意味を持っています。考えすぎることで陥りがちな「過剰分析」や「完璧主義」は、行動を妨げる大きな障害となりえます。しかし、まず行動を起こすことでフィードバックを得られ、モメンタムが生まれ、次々と行動を起こすことが容易になります。

重要なのは、完璧を求めすぎず、失敗を恐れず、小さな一歩を踏み出すことです。行動することでしか得られない経験や学びがあり、それが最終的に成功への道を切り開くのです。
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