SNSで一喜一憂してしまう人たち

コラム

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingoです。今回はメンタルヘルスにも大きな影響を与えるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)との付き合い方について書いてみようと思います。

現代社会において、SNSは生活の一部となり、情報収集、コミュニケーション、娯楽など、多岐にわたる用途で利用されています。しかし、SNSとの付き合い方はメンタルヘルスに多大な影響を与える可能性があります。特に、SNSでの反応に一喜一憂してしまう人々にとって、その影響は非常に深刻です。本記事では、公認心理師として、SNSがメンタルヘルスに与える影響について考察し、対策を提案します。

SNSとメンタルヘルスの関係

SNSは、瞬時に情報を共有し、他者と繋がることができる便利なツールです。しかし、その一方で、以下のようなメンタルヘルスへの影響が懸念されています。

・承認欲求の増大
SNSでは、投稿に対する「いいね」やコメントなどの反応が数値として可視化されます。このため、多くの人々が他者からの承認を求めるようになります。承認欲求が満たされると一時的に幸福感を得られますが、逆に反応が少ないと自己評価が低下し、不安や自己否定感が増幅されることがあります。

比較による劣等感
SNSでは、多くの人が自分の生活の良い部分だけを投稿する傾向があります。これを見ることで、自分の生活と他人の生活を比較し、劣等感を感じることがあります。他人の成功や幸せな瞬間ばかりが目に入るため、自分の現実とのギャップに苦しむことが多いです。

・FOMO(Fear of Missing Out)
SNSは、他人の活動やイベントの情報をリアルタイムで提供します。その結果、見逃したり取り残されたりすることへの不安感(FOMO)が生じることがあります。この不安感は、常にSNSをチェックする行動を引き起こし、精神的な疲労を招きます。

・ネガティブなコンテンツの影響
SNSでは、時にネガティブなコメントや批判にさらされることもあります。これにより、自己価値感が低下し、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすことがあります。また、他者のネガティブな投稿を見続けることも、気分を落ち込ませる原因となります。

SNSで一喜一憂しないための対策

SNSがメンタルヘルスに与える影響を軽減するためには、以下のような対策が有効です。

・自己評価の見直し
SNSでの反応に一喜一憂するのではなく、自分自身の価値を他者の評価に依存しないように心がけることが重要です。自己評価は、自分自身の内面から来るものであり、他人の評価に左右されるべきではありません。自己肯定感を高めるためには、自分の強みや達成したことを振り返り、自己評価を見直す習慣を持つことが有効です。

・SNSの使用時間を制限する
SNSの使用時間を適切に管理することも重要です。1日の使用時間を設定し、必要以上にSNSに依存しないようにすることで、メンタルヘルスへの悪影響を軽減することができます。また、定期的にデジタルデトックスを行い、SNSから離れる時間を持つことも効果的です。

・比較をやめる
他人と自分を比較することは避けるべきです。SNSに投稿される情報は、往々にして偏ったものです。他人の成功や幸せな瞬間だけを見て、自分の生活と比較するのは不健全です。代わりに、自分自身の目標や価値観に基づいて行動し、自分の成長を大切にしましょう。

・ネガティブなコンテンツを避ける
ネガティブなコンテンツや批判的なコメントから距離を置くことも重要です。自分にとってストレスとなる投稿やアカウントはミュートしたり、フォローを外すなどして、自分のメンタルヘルスを守りましょう。ポジティブで建設的な情報を積極的に取り入れることが大切です。

・実生活の人間関係を大切にする
SNS上の関係よりも、実生活での人間関係を大切にすることがメンタルヘルスにとって重要です。家族や友人との対話や共同の活動を通じて、リアルな人間関係を築きましょう。実際の対人関係は、SNS上の関係よりも深く、信頼できるものです。

具体的な実践方法

ここでは、SNSとの健全な付き合い方を実践するための具体的な方法を紹介します。

デジタルデトックス
デジタルデトックスとは、一定期間デジタルデバイスの使用を控えることです。週末や休日を利用して、SNSから離れる時間を作りましょう。デジタルデトックスの期間中は、自然の中を散歩したり、本を読んだり、実生活の趣味を楽しむことを心がけましょう。

・ポジティブジャーナリング
毎日、自分が感謝していることや、嬉しかった出来事を記録する「ポジティブジャーナリング」を実践することも効果的です。これにより、自分の生活の中でポジティブな側面に目を向ける習慣が付き、自己肯定感が高まります。

・メディアリテラシーの向上
SNSの情報は、必ずしも正確でない場合があります。メディアリテラシーを高めることで、SNSの情報を客観的に評価し、影響を受けすぎないようにすることが重要です。情報源の信頼性を確認し、批判的に考える姿勢を持ちましょう。

・SNS利用の目的を明確にする
SNSを利用する際には、その目的を明確にすることが重要です。情報収集や友人とのコミュニケーションなど、具体的な目的を持つことで、無駄な時間を減らし、SNSに依存しない生活を実現できます。

まとめ

SNSは便利なツールである一方で、メンタルヘルスに多大な影響を与える可能性があります。SNSでの反応に一喜一憂しないためには、自己評価の見直しや使用時間の制限、比較を避けること、ネガティブなコンテンツから距離を置くこと、そして実生活の人間関係を大切にすることが重要です。

現代社会において、SNSは避けられない存在ですが、その使い方を工夫することで、メンタルヘルスへの悪影響を最小限に抑えることができます。しんしん心理研究所では、皆さんが健全なSNSとの付き合い方を見つけ、より良いメンタルヘルスを維持できるよう、サポートしていきたいと思います。SNSを上手に活用しながら、バランスの取れた生活を送りましょう。

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