こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。最近では「繊細さん」という呼び名でHSP(Highly Sensitive Person)の存在を知っている人は多いのではないでしょうか?
繊細さんと聞くと内向的で大人しく、すごく神経質な人をイメージするかも知れませんが、実は普段は明るく、社交的な人でも、実は心の中で繊細な部分を抱えていることがあります。そんな「かくれ繊細さん」について、今回の記事ではHSS型HSP(Highly Sensitive Personの一種)という概念をもとに、その特徴や対処法について解説していきます。あなた自身や周りの人に当てはまるかもしれないその繊細さを知ることで、心のケアに役立ててみてください。
繊細さんとは?
まず、「繊細さん」という言葉について簡単におさらいしましょう。繊細さんはHSP(Highly Sensitive Person、高感受性の人)を指す言葉で、環境の刺激に対して非常に敏感に反応する人のことです。物事に対して深く考え込んでしまったり、他人の感情に強く影響されたりする特徴があります。音や光、他人の感情など、普段の生活で感じる刺激がとても強く影響してしまうことがあるため、疲れやすくなることもしばしばです。
しかし、繊細さんにもいろいろなタイプがあります。なかでも、今回は「HSS型HSP」について詳しく見ていきましょう。
HSS型HSPとは?
HSS型HSPとは「High Sensation Seeking(高刺激追求型)型HSP」の略です。これには「刺激を求める」という矛盾した特性と「刺激に敏感で疲れやすい」という繊細さの二面性が共存しています。このため、普段はエネルギッシュで社交的に見えるけれども、内面では繊細さを抱えている人が多いのです。
HSS型HSPの特徴として、例えば以下のようなものがあります。
1. 新しい経験を求める一方で疲れやすい
新しいことにチャレンジすることが好きで、刺激を求めて冒険したくなる一方で、感情や体力のエネルギーが尽きると急に疲れてしまうことがあります。
2. 社交的に見えるが一人の時間が必要
パーティーや集まりで明るく振る舞うことができるため、周囲からは「社交的な人」と思われがちですが、心の中では人と関わることでエネルギーを消耗してしまうため、一人で過ごす時間が必要です。
3. 深く考える性質がある
社交的な場面でも、その場の空気を読みすぎたり、他人の感情を察知してしまったりすることがあります。そのため、自分の言動に対するフィードバックを何度も繰り返し考え、自己嫌悪に陥ることも少なくありません。
「かくれ繊細さん」の生活の中での課題
HSS型HSPの人は、普段は明るく見えたり、積極的に見えたりするため、周囲から「繊細な人」というイメージを持たれにくいです。このため、自分自身の繊細さや疲れやすさを認識してもらえず、「どうしていつも頑張れるのに、急に元気がなくなるの?」といった疑問を投げかけられることもあります。
このような環境では、自分自身の疲れやすさを無視して無理をし続けてしまい、最終的に燃え尽きてしまうことがあります。特に社交的な面が強調される場面では、自分の限界に気づかずに頑張り続け、後から反動で体調を崩すということも珍しくありません。
HSS型HSPが自分を守るためのヒント
HSS型HSPの特性を理解し、自分を守るためには、いくつかのポイントがあります。
1. 自分の限界を知ること
新しい刺激を追い求めることに楽しさを感じる一方で、どこまでが自分の限界かを把握しておくことが大切です。過度な社交や挑戦を避け、適度に休むことで心身のバランスを保つことができます。
2. リラックスするための時間を設ける
社交的な活動や新しい経験の後には、一人で過ごすリラックスタイムをしっかり確保しましょう。心を落ち着かせる時間を持つことで、過剰な刺激による疲労を和らげることができます。
3. 周囲に自分の特性を伝える
自分がHSS型HSPであることを信頼できる人に伝えるのも効果的です。そうすることで、急に疲れてしまうことや社交から離れたくなることについて、理解を得やすくなります。周囲の理解があることで、自分自身も無理をせずに生きやすくなるでしょう。
4. 内省し、自分を受け入れる
HSS型HSPの人は、自己嫌悪に陥りやすい傾向もあります。何かに疲れたり、感情的に過敏になってしまった時でも、「これが自分の特性なのだ」と受け入れ、自分を責めすぎないことが大切です。
繊細さを強みに変える
繊細さは弱点だと思われがちですが、HSS型HSPの人々にはその特性を強みに変える可能性があります。感受性が高く、他者の気持ちに共感しやすいことは、周囲との関係をより深くするための力になります。また、新しい経験を楽しむことで、人生に彩りを与え、様々な知識やスキルを身につけることができます。
繊細さを持ちながらも行動的であることは、まさに「かくれ繊細さん」の最大の強みです。この強みを認識し、自分自身を大切にしながら、繊細であることを誇りに思えるようになることで、もっと充実した生活を送ることができるでしょう。
まとめ
普段は明るく、社交的な人でも、その内側には繊細さを抱えていることがあります。HSS型HSPという特性を知ることで、自分や周囲の人たちのことをより深く理解する手助けになります。繊細でありながらも刺激を求める「かくれ繊細さん」の特性を理解し、自分自身を大切にしながら生活することで、心の健康を守りつつ、より豊かな人生を送ることができるのです。
自分の繊細さに気づいたら、それを受け入れ、大切にしてあげてください。そして、その繊細さこそがあなたの魅力であり、強みであることを忘れないでください。
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