漠然とした不安はなぜ起こるのか?

ストレス

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。皆さんは自分でもよくわからないけど、なんとなく漠然とした不安を感じることはありませんか?
「漠然とした不安」というのは、はっきりした理由がないのに感じる重い気持ちです。何か特定の問題があるわけではないので、どう対処したらいいか分からなくなることが多いです。でも、なぜ私たちはこうした漠然とした不安を感じるのでしょうか?今回の記事ではその仕組みや対処法を簡単に説明します。

漠然とした不安の仕組み

まず、漠然とした不安がどうやって起こるのかを見ていきましょう。この不安の背景には、脳の働きや心理的な理由があります。

1. 脳の防衛機能としての不安

脳は私たちを危険から守るために進化してきました。そのため、未来がどうなるか分からない時や、予測できない状況に直面すると、脳は「警戒モード」に入ります。この警戒モードでは、脳は過去の経験をもとに「最悪の事態」を考えて準備します。このため、不安という感情が生まれます。

特に現代は、ニュースやSNSなど情報がたくさんあって、脳に「悪いことが起きるかもしれない」という信号を送りがちです。この積み重ねが漠然とした不安を引き起こす原因になります。

2. 解決していない問題や感情の蓄積

漠然とした不安は、過去に解決できなかった感情や問題が原因になっていることもあります。たとえば、過去の失敗や嫌な経験が、無意識のうちに今の自分の考え方や行動に影響を与えています。こうした解決していない感情が心に溜まり、ふとしたときに不安となって表れることがあります。

また、「やらなければならないこと」や「達成できていない目標」が心の中にあると、それも漠然とした不安の原因になります。未完了のことがあると、それが常に心に負担をかけるからです。

3. 思考の偏り(認知のゆがみ)

漠然とした不安の原因の一つに「認知のゆがみ」があります。認知のゆがみとは、物事を現実よりも悪く考えてしまう思考パターンのことです。たとえば、「絶対に悪いことが起こる」とか「自分はいつもうまくいかない」といった考え方です。

こうした思考の偏りが強いと、現実には根拠がなくても不安を感じやすくなります。特に、あいまいな状況や自分でコントロールできない状況に対して、必要以上に不安を抱くことがあります。

漠然とした不安への対処法

漠然とした不安に対処するためには、いくつかの具体的な方法があります。これらを試してみることで、不安を減らし、心を安定させることができます。

1. 不安を書き出す

まず、不安を紙に書き出してみることが効果的です。頭の中でぐるぐる回っている不安を、具体的な言葉にすることで、その不安を客観的に見ることができます。書き出すことで、自分が何に不安を感じているのか、そしてその不安がどれくらい大きいのかを冷静に考えられるようになります。

書き出すことで感情が整理され、不安が具体化されると、解決策を見つけやすくなり、不安も軽くなることが多いです。

2. 呼吸法や瞑想を使う

呼吸法や瞑想も、不安を和らげるのにとても効果的です。不安を感じているとき、呼吸が浅く早くなりがちです。ゆっくりと深呼吸をすることでリラックスでき、神経の緊張を和らげることができます。

また、瞑想も心を落ち着けるのに役立ちます。瞑想は「今、この瞬間」に集中することで、不安を引き起こす考えから抜け出す手助けをしてくれます。特に「マインドフルネス」は、不安を感じても、それにとらわれずに観察する練習になります。

3. 考え方を見直す

「認知のゆがみ」を直すことも大切です。認知行動療法(CBT)という心理療法では、否定的な思考を見つめ直し、それをもっと現実的でポジティブな思考に変える練習をします。

たとえば、「何か悪いことが起こるかもしれない」と感じたとき、その考えが本当に現実的かどうかを自分に問いかけます。実際には最悪の事態が起こる可能性は低いことが多いです。このように、自分の思考の偏りに気づき、それを修正することで、不安をうまくコントロールできるようになります。

4. 体を動かす

運動も、不安を軽くするのに効果的です。運動をすると脳から「幸せホルモン」と呼ばれるエンドルフィンが出て、気分が良くなります。また、体を動かすことで体の緊張をほぐすことができ、不安も和らぎます。

特にウォーキングやヨガ、軽いジョギングなどは心と体のリラックスに良く、続けることで不安の軽減に役立ちます。

5. サポートを求める

最後に、必要であれば他の人のサポートを求めることも大切です。家族や友人に話を聞いてもらうだけでも、不安が軽くなることがあります。また、専門のカウンセラーやセラピストに相談することで、不安の原因にしっかり向き合い、適切な対処法を学ぶことができます。

特に漠然とした不安が長く続いたり、生活に支障が出ている場合は、専門家に相談することを考えてみてください。心の問題は一人で抱えず、他の人と共有することで少しずつ軽くしていけます。

まとめ

漠然とした不安は、脳の防衛機能や過去の解決していない問題、思考の偏りなど、いろいろな要因が関わって生まれる感情です。この不安に対処するためには、不安を具体化したり、呼吸法や瞑想を使ったり、認知のゆがみを直したり、運動をしたりすることが有効です。

不安は誰にでもある自然な感情です。それを理解して、正しく向き合うことで、少しずつ心の安定を取り戻せるでしょう。自分に合った方法を見つけて、日常生活に取り入れていけば、漠然とした不安とも上手に付き合えるようになります。
しんしん心理研究所では自分ひとりでなかなか不安の対処ができないという方に寄り添ったサポートを行なっています。いつでも相談に来てください。

コメント