こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。
皆さんは、日中に起きた嫌な出来事を家に帰ってから「また同じことを考えてしまう」「解決しないのに、ずっと頭の中で繰り返してしまう」そんな経験はありませんか? 「ぐるぐる思考」これはいわゆる反芻思考(はんすうしこう)と呼ばれるものです。反芻思考に陥ると、問題解決が進まないどころか、不安やストレスがどんどん増幅してしまいます。今回の記事では、ぐるぐる思考を断ち切るための効果的な方法について、心理学的な視点を交えながら解説します。
ぐるぐる思考とは何か?
ぐるぐる思考とは、特定の考えや感情、出来事について、繰り返し考え続ける状態を指します。特に、ネガティブな出来事や感情に焦点を当てる場合が多く、次のような特徴があります。
- 過去の失敗や後悔に固執する
- 起こり得る最悪の事態を想像してしまう
- 具体的な行動に移れない
ぐるぐる思考は、ストレス、うつ、不安障害などの心理的な問題と深く関連しています。これを長引かせると、心身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、これをうまくコントロールすることが、メンタルヘルスの改善や日常生活の質向上につながります。
なぜぐるぐる思考に陥るのか?
ぐるぐる思考の背景には、さまざまな要因があります。たとえば、以下のようなものです。
- 解決志向の罠
問題を解決しようとするあまり、逆に考えすぎてしまう。 - 感情の処理不足
悲しみや不安を適切に処理できず、頭の中で繰り返し考える。 - 脳のクセ
習慣的にネガティブな考えを優先する思考パターン。 - ストレスホルモンの影響
ストレス時に分泌されるホルモンが、思考を繰り返すよう促す。
これらの要因が複雑に絡み合い、反芻思考を引き起こします。しかし、この「ぐるぐる思考」から抜け出すことは可能です!
ぐるぐる思考を断ち切る「一番」の方法とは?
ぐるぐる思考から抜け出すためには、「意識的な介入」が必要です。具体的には、「今ここ」に意識を向けることが非常に効果的です。この方法は、マインドフルネスと呼ばれ、心理療法でも広く採用されています。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、現在の瞬間に意識を集中し、その瞬間を判断せずに受け入れる練習です。たとえば、次のような練習を通じて、ぐるぐる思考を断ち切ることができます。
- 呼吸に集中する
- ゆっくりと深呼吸を行い、吸う息と吐く息に意識を向けます。
- 「吸う息が鼻から入る感覚」「吐く息が体から出る感覚」をただ観察します。
- 五感に注意を向ける
- 今、目の前に見えるもの、聞こえる音、触れている感覚を意識します。
- 例:「部屋の中にある色」「窓の外から聞こえる風の音」など。
- 体の感覚を観察する
- 自分の体に注意を向け、緊張している部分やリラックスしている部分を感じ取ります。
- 「肩が少し力んでいるな」と気づいたら、その部分を意識的に緩めます。
なぜマインドフルネスが効果的なのか?
ぐるぐる思考は、未来や過去に意識が向いている状態を引き起こします。一方で、マインドフルネスは「今この瞬間」に意識を向けるため、ぐるぐる思考のサイクルを断ち切るのに役立ちます。また、次の効果も期待できます。
- ストレスの軽減
心が落ち着き、不安が軽くなる。 - 集中力の向上
必要なタスクに集中できる。 - 感情の調整
ネガティブな感情をコントロールしやすくなる。 - 自己受容の促進
自分をあるがまま受け入れることができるようになる。
マインドフルネスを日常生活に取り入れることで、心のバランスを保ちやすくなります。
他にもある有効な方法
マインドフルネス以外にも、ぐるぐる思考を断ち切るための方法があります。
1. アウトプットする
ぐるぐる思考を止めるために、頭の中の考えを外に出すのは有効です。具体的には以下のようなことが役に立ちます。
- 紙に書き出す
考えていることを紙やノートに書き出す。頭の中が整理され、冷静になれる。 - 誰かに話す
信頼できる人に話すことで、感情が解放される。 - クリエイティブな活動を行う
絵を描いたり、日記をつけたりして思考を表現する。
2. 行動する
ぐるぐる思考に陥ると、行動が止まってしまうことが多いですが、意識的に体を動かすことで思考のサイクルを断つことができます。
- 軽い運動
ウォーキングやストレッチをする。 - リズム運動
ダンスやヨガなど、リズムに合わせた運動を取り入れる。 - 家事や趣味
掃除や料理、好きな音楽を聴くなどの活動をする。
3. 視点を変える
ぐるぐる思考は、一つの視点に固執してしまうことで起こります。視点を広げる練習をしましょう。
- ポジティブな側面を探す
ネガティブな出来事でも良い点を見つける。 - 他者の視点を想像する
他人が同じ状況にいたら、どう感じるかを考える。 - 将来の自分を想像する
時間が経ったとき、今の悩みがどのように感じられるかを想像する。
実践を続けるコツ
ぐるぐる思考を断ち切るための方法は、一度実践しただけでは効果が持続しません。次のような工夫で、日常的に取り入れることを目指しましょう。
1. ルーティンに組み込む
- 朝や夜にマインドフルネスの練習を取り入れる。
- 通勤中や休憩時間に深呼吸をする。
- 定期的に日記をつけて自己観察を行う。
2. サポートを活用する
- 瞑想アプリやガイド付きの動画を利用する。
- 心理カウンセラーやコーチの支援を受ける。
- 同じ目標を持つ仲間と情報を共有する。
3. 小さな成功体験を積む
- 「今日は少しだけ落ち着けた」といった小さな進歩を自分で認める。
- 成功を記録して、後から振り返ることで自信を育む。
まとめ
ぐるぐる思考に陥ると、問題解決が進まないどころか、心が疲れてしまいます。しかし、「今ここ」に意識を向けるマインドフルネスや、考えをアウトプットする方法、行動を起こす工夫などを取り入れることで、そのサイクルを断ち切ることができます。
さらに、これらの方法を習慣化することで、心が軽くなり、より前向きに日常を送ることができるでしょう。まずは自分にとって実行しやすい方法から始め、小さな一歩を積み重ねていくことが重要です。そして何より、自分を責めず、変わる過程を楽しむことを忘れないでください。
しんしん心理研究所では「ぐるぐる思考」で困っている人のサポートを行なっています。いつでも相談してください。
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