あなたの大切な価値観は何ですか?

自己肯定感

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。
私たちは日々さまざまな出来事に直面し、それを「良い」「悪い」「普通」などと評価しながら生きています。しかし、その評価基準はどこから来ているのでしょうか?それは、私たちが持つ「スキーマ」と呼ばれる無意識の枠組みに大きく影響されています。そして、そのスキーマの中には「価値観」が深く根付いています。

価値観とは、私たちの選択や行動の基準となるものであり、何を重要と感じ、何を優先するのかを決める指針となります。しかし、多くの人は自分の価値観がどこから来たのか、また、それがどのように日常生活や感情に影響を与えているのかを深く考えることは少ないかもしれません。
実際、私たちの価値観は、幼少期の経験や社会的環境、教育、文化的背景などによって形成されていきます。それが無意識のうちに思考や行動に影響を与え、結果としてストレスの感じ方や対処の仕方にも関わってきます。

今回の記事では、自分の価値観を客観的に知ることの重要性と、それがストレスケアにどのように役立つのかについて、より深く掘り下げて解説していきます。

スキーマとは何か?

スキーマとは、過去の経験や学習によって形成される思考の枠組みのことを指します。私たちは、このスキーマを通じて物事を理解し、判断します。例えば、「努力すれば報われる」というスキーマを持っている人は、困難な状況に直面しても「頑張れば乗り越えられる」と前向きに考えます。一方、「努力しても無駄だ」というスキーマを持っている人は、同じ状況でも「どうせ頑張っても変わらない」と考えてしまうかもしれません。

このように、スキーマは私たちの思考や行動の基盤となっており、日常の出来事の受け取り方に大きな影響を与えています。さらに、スキーマは無意識のうちに強化されていくため、気づかないうちに偏った考え方を持ってしまうこともあります。したがって、自分のスキーマを知り、それを柔軟に調整することが重要になります。

価値観とスキーマの関係

スキーマは、その人の価値観と深く結びついています。価値観とは、「何が大切か」「何を良しとするか」といった個人の信念や判断基準のことを指します。

例えば、「家族との時間を大切にする」という価値観を持っている人は、仕事が忙しくても家族との時間を確保しようとします。しかし、「仕事の成功が最優先」という価値観を持っている人は、家族の時間よりも仕事を優先するかもしれません。このように、価値観は私たちの選択や行動の指針となります。

価値観は育った環境や社会的な影響によって形成されることが多く、時には自分が本当に望んでいるものではなく、周囲の期待に合わせて形作られている場合もあります。そのため、価値観を定期的に見直し、自分に合ったものかどうかを確認することが大切です。

自分の価値観を客観的に知る方法

自分の価値観を客観的に知ることは、ストレスケアにおいて非常に重要です。なぜなら、自分の価値観と現実の間にギャップがあると、強いストレスを感じることがあるからです。

1. 自分にとって大切なものをリストアップする

まずは、自分にとって何が大切かを考えてみましょう。以下の質問に答えてみることで、自分の価値観を明確にできます。

  • どんなときに幸せを感じるか?
  • どんな行動をすると満足感を得られるか?
  • 何をしているときに「これが自分らしい」と感じるか?
  • 逆に、どんなときに違和感やストレスを感じるか?
  • 幼少期から現在まで、大切にしてきたことは何か?

2. 自分の行動と価値観の整合性を確認する

自分が大切にしている価値観と、実際の行動が一致しているかを振り返ってみましょう。もし一致していない場合、そのギャップがストレスの原因になっている可能性があります。

例えば、「健康が大切」と思っているのに、夜更かしや暴飲暴食を続けている場合、無意識にストレスを感じているかもしれません。逆に、「挑戦することが大切」と考えているのに、安全な選択ばかりしていると、物足りなさや自己不信につながることがあります。

また、日記やノートを活用し、日々の出来事や感じたことを記録するのも有効です。時間をかけて振り返ることで、パターンが見えてくることがあります。

自分の価値観を理解することがストレスケアに役立つ理由

1. ストレスの原因を明確にできる

ストレスを感じる原因の多くは、自分の価値観と現実の間にズレが生じていることにあります。そのズレを意識することで、どのように対処すればよいのかが明確になります。

2. 適切な選択ができるようになる

自分の価値観を理解していれば、何かを選択するときに「本当に自分が大切にしたいこと」に基づいて決断できます。これにより、後悔の少ない選択ができるようになります。

例えば、転職を考えたときに、「収入よりもやりがいを重視する」という価値観を持っているなら、高収入の仕事よりも、自分がやりがいを感じる仕事を選ぶことが満足感につながるでしょう。

3. 自分らしい生き方ができる

自分の価値観を知り、それに沿った行動をすることで、「自分らしく生きている」という実感を持てます。これが、ストレスを減らし、充実感のある人生につながります。

まとめ

私たちは無意識のうちにスキーマを通じて物事を受け取り、判断しています。そして、そのスキーマの中には、自分が大切にしている価値観が反映されています。この価値観が、日々の意思決定や人間関係、仕事の取り組み方など、多方面に影響を及ぼしているのです。

自分の価値観を客観的に理解することで、ストレスの原因を特定し、より良い選択ができるようになります。たとえば、自分の価値観が「誠実さ」だとすると、嘘をついたり、他人に迎合したりすることで大きなストレスを感じるかもしれません。一方で、「自由」を重視する人は、過度に制約された環境での生活が負担になることもあります。

日々の生活の中で、自分の価値観を意識し、それに沿った行動を取ることで、ストレスを軽減し、より充実した人生を送ることができます。自分にとって最も大切な価値観を理解し、それを基準に行動することで、より満足感のある決断を下すことが可能になります。また、周囲の人の価値観を尊重することで、より良い人間関係を築くことにもつながります。

ぜひ一度、自分の大切な価値観について考えてみてください。それが、あなたの心を軽くし、より豊かな人生へと導く第一歩となるはずです。価値観を意識することは、自己理解を深めるだけでなく、自分らしく自分のために生きることができるようになるでしょう。
しんしん心理研究所では皆さんが自分らしく自分のために生きることを全力でサポートしています。

コメント